「話が伝わらない」という悩みをを解決する方法を紹介しています。
前回の記事では、話は伝わらずに聞き返されてしまう悩みに対して、聞き返されないために役立つ話し方のコツを紹介しました。
今回は、「話がかみ合わない」という悩みについて、会話にズレが生じる原因を紐解いて紹介していきます。
話がかみ合わない原因は勘違いに気づかないこと!?
あなたは人と会話をしていて、「話がかみ合わない」という悩みを感じたことはありますか!?
このような会話を耳にしたり、自身が経験したことはあるでしょうか?
「他社の値下げ戦略に合わせるべきだと思う。」(社長)
「さすがにそれはどうかと思います。」(役員)
「どこがダメなの?このままだと一人負けになってしまう。」(社長)
「短期的には効果が期待できますが、中期的に見ると・・・」(役員)
「何が言いたいの?」
「普段の価格設定が高いという印象が残ってしまうのではと・・・」(役員)
「逃げ腰じゃ競争なんかできんで!」(社長)
まったく同じ会話内容ではなくとも、このように双方で言い合いになるようなやり取りを耳にしたり経験したことのある人は少なくないでしょう。
しかし、この会話にはお互いの間で話のずれが生じてしまっており、そのことによって話の本質が伝わらずに言い合いとなってしまっています。
では、いったいどこに話のずれが生じているのでしょうか?
この会話に登場した「社長」と「役員」の値下げに対する思いを詳細に見ていきましょう。
まず、「役員」は「値下げには一定の効果がある」ことは認めながらも、「普段の価格設定が高い」という印象を植え付けかねないリスクを懸念しています。
対して社長は、「他社にシェアを奪われないためには値下げが不可欠」と主張しています。
一見、値下げ反対派と賛成派の意見対立のように見えますが、実は違います。
まず、役員はリスクを懸念しながらも、「値下げ」の一定の効果に対し、短期的であれば問題ないと認めています。
さらに、この会話の後で「社長」に、中期的なリスクを問うと、「しょっちゅう値下げしてればそうなって当たり前。」という回答が返ってきました。
つまり、社長も中期的に「値下げ」を継続するつもりはなく、短期間の特別措置と考えているのです。
どうでしょう?
2人の主張は詳細に見れば同意見であることが分かります。
しかしながら、役員は社長の意見に対して、「他社と同じように中期的な値下げを主張している。」と、対する社長は役員の意見に対して、「値下げにはリスクがあり、実施するのが怖い。」のように、お互いの意見を勘違いして捉えてしまっているのです。
なぜこのような「話のズレ」、勘違いが生じてしまったのでしょうか?
決して役員は「値下げそのものが悪い」とは一言も言っていませんし、対する社長も「中期的に値下げを継続する」とは言っていません。
にもかかわらず、お互いに相手の主張を勘違いして言い合いになっています。
このような、相手の意見を誤って解釈する「勘違い」こそが、話のずれを生む原因であるといえます。
話が平行線をたどっていると感じたら、まずは「話のズレ」に目を向け、「勘違い」が生じていないかを確認し解消する必要があるでしょう。
話しのズレを生む根拠の有無!!
会話にズレが生じる原因として、根拠があるかどうか?まとその根拠が誤っていないか?ということが非常に大きく影響しています。
知らず知らずのうちに犯してしまいがちな定番の失敗例として、このような会話があります。
「このデザイン、すごくいいと思いませんか?」(後輩)
「悪くないね!でもクライアントの趣味じゃないかな。」(先輩)
「でも、喜んでくれると思いますよ。」(後輩)
「以前に多様なデザインで外したことがあるんだよ。」(先輩)
「これなら大丈夫ですよ。」(後輩)
「大丈夫という根拠はあるの?」(先輩)
「ないですけど・・・」(後輩)
「クライアントのことは俺がよく知ってる」(先輩)
「でも、これならきっと大丈夫ですよ!」(後輩)
「だから、そうじゃなくて・・・」(先輩)
このように、「そうじゃなくて・・・」と言われる人は多いです。
しかし、この「後輩」に対して「我が強い人」と感じれば、それもまた「そうではない」です。
ここで「後輩」の問題として上がるのは、「無自覚に定番の失敗を犯す」ことです。
その「定番の失敗」とは、「論点のズレ(話のズレ)」です。
例の会話では、後輩の「クライアントに喜んでもらえる」という主張に対し、先輩が「喜んでもらえない可能性が高い」と否定する非常に理解しやすい展開です。
お互いが同じ主張のままでは一向に論争は収束しないといえます。
そこで、先輩は「大丈夫という根拠はあるの?」と収束に向けて歩み寄ります。
ここで後輩に根拠があれば話し合いは収束していたことでしょう。
しかし、後輩に「大丈夫」と言える根拠はなく、論争は再び振り出しに戻ってしまっています。
では、ここで二人の会話に生じている話しのズレを確認してみます。
先輩は、「これまでの経験を根拠に、クライアントに喜んでもらえない」と主張しています。
対する後輩は、「根拠はないが、クライアントに喜んでもらえる。」と主張しています。
つまり二人の異なる点は、根拠があるかどうか?であり、その根拠の有無が「論点のズレ」となってしまっているのです。
後輩が犯している「無自覚な定番の失敗」とは、「根拠のない意見を、あたかも事実のように伝えてしまう」というところにあります。
このことからわかる二人の会話のズレは、「自身の主張も所詮はただの意見にすぎないが、根拠があるだけマシ」という「根拠に基づいた話し合い」をしようとしている先輩に対して、後輩が「根拠の有無」には耳も貸さず、自身の意見をがむしゃらに押し通そうとした結果生まれたものと言えます。
これでは当然「そうじゃなくて・・・」と言わざるを得なくなってしまいます。
このように、「根拠の有無」は会話をする中で「話のずれを生むか否か?」に直結する非常に重要な要素であることが分かります。
まとめ
この記事では、「話がかみ合わない」という悩みを抱える会話を発生させる「話のズレ」について、その原因を詳細にひも解いてきました。
「相手の主張を勘違いしてしまうこと」、「根拠がないことで論点がズレてしまうこと」など、だれしも経験しがちな失敗が話のズレにつながっていることが分かったと思います。
ぜひこれらのことに注意して、話がかみあわない会話にならないように意識していただければと思います。
また、次回は生じた「話のズレ」を解消する方法について紹介していきます。
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