この記事では、新入社員が特に陥りやすい「話が伝わらない」悩みに対して、伝わる話し方のコツを紹介しています。
前回は、「結論と理由」や、「概要と詳細」といった基本の型を使った考えのまとめ方を紹介しました。
今回は、先に紹介した基本の型とは別に、様々なシチュエーションですぐに実践して使える便利な型を紹介していきます。
前提がある場合に便利!要点を先に伝えるアンサーファーストな伝え方!
先に紹介した「結論と理由」の型でも解説したように、話の要点など重要な内容を先に伝えてしまうほうが伝わりやすくなります。
それは、先に要点を知ることで聞く側は心構えができ、情報を頭の中で整理しやすくなるのです。
このように、伝える相手との間で前提条件が共有されている場合には、アンサーファーストで結論を先に述べてしまうのが吉といえます。
しかし、アンサーファーストな伝え方にも注意が必要です。
相手との間で前提の認識が共有されている場合には便利なアンサーファーストですが、前提が異なる状態で要点のみ先に伝えてしまうと、相手には唐突な印象を与えてしまい、むしろ伝わりにくくなってしまいます。
その場合には話す順序を逆にするなどの機転を利かせ、要点を後に伝えるほうが良い場合もあるということに注意しましょう。
道筋を明確に伝える!結論を二度伝える話し方!
次に紹介する型では、一度の話の中で結論を二度伝えます。
相手に結論に至る道筋を確実に伝えたいときに非常に有効な話し方として、「結論」、「理由」、「根拠」、「結論」の順で、最初と最後に二度結論を述べる方法があります。
例えば、
「この機会にぜひご利用いただきたいと思います。」(結論)
「なぜなら、〇〇だからです。」(理由)
「実際に利用した方からも〇〇と好評です。」(根拠)
「ですので、ぜひこの機会を逃すことなくご利用ください。」(結論)
このように、「利用してほしい」という結論について初めだけでなく、理由と根拠を伝えた後にも伝えなおすことでより印象深く相手の記憶に残すことができるのです。
前提がないときに便利!「結果と原因」の型!
次に紹介するのは、「結論と理由」では不利であった前提がない場合に使える伝え方です。
何かの原因によって起きた結果を報告する際、「原因」を端的に説明できるならば「原因」、「結果」の順に伝えることでより伝わりやすく話すことができます。
例えば、
「先月行ったキャンペーンが好評で、今月は売り上げ目標を10%上回ることができました。」
「結論と理由」と似たような伝え方で、前提がないときに代わりに「原因と結果」の型を代用することも可能です。
しかし、「理由」が端的に伝えられない状況では相手にくどい印象を与えたり、最も伝えたい「結論」を述べる時点で相手が疲れてしまっていることにもなりかねませんので注意が必要です。
また、最後に必ず「結論」を伝えることも忘れないように注意が必要です。
相手に疑念を残させない!疑問に先回りする伝え方!
どんな話でも、聞き手は必ず「この情報は本当なのか?」という「なぜ?」の疑問を抱いてしまうものです。
このような疑念を残したままでは、せっかく伝えても納得してもらえない可能性があります。
これを防ぐために、相手が疑念を抱く前に「なぜ?」や「本当に?」に先回りをして説明してしまうのです。
例えば、
「〇〇さんはこのような技術を持っていますが、実際に〇〇という成果を上げたこともあり、その技術には大きな信頼があります。」
のように、「〇〇さんが技術を持っている」という情報に対し、聞き手が感じるであろう「技術を持っているというのは信用できるのか?」という疑念を、「実際に成果を上げたことがある」という根拠を示すことで払拭しています。
プレゼンテーションをすれば、必ずその後に質問されるのはつきものですが、できるならばあとから質問攻めにあうことなくスマートに伝えたいものです。
そのためには、初めから質問されるであろう芽を摘んでおくことが非常に有効であるといえます。
そうすることでよりあなたの説明に説得力が増すことにつながります。
まとめ
今回の記事では、前回までに紹介した「基本の型」に加えて、様々なシチュエーションで使える便利な伝え方を紹介しました。
自分の頭の中で情報を整理し伝えたいことをまとめるための型から、より相手に伝わりやすい順序で話すための型まで数多く紹介してきましたが、その場その場でシチュエーションに合わせて応用することで「話が伝わらない」という状況に陥ることなく、スマートに思いを伝えられるようになります。
ぜひ紹介したコツを実践していただき、この記事があなたのなら幸いです。
そして次回の記事からは、相手に重要なポイントをしっかりと伝えることを目的に、如何に話を端的に要約するか?ということについて紹介していきます。
ぜひ次回以降の記事もご覧いただければ幸いです。
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